著名な小説家の御手洗薫は、パーティーの帰りに車で一人の女性を撥ねてしまう。被害者の息子であり、自らも小説家のはしくれだという神崎龍平は、事故を表沙汰にしたくない薫に対して意外な提案をする。「あなたの原稿を私の名前で発表させて下さい。そうすれば事故の事は黙っています」薫は龍平の要求をのみ、ゴーストライターとなった。脅迫から始まった二人の関係だが、やがて互いに対する親愛の情がわいてくる。それは師弟愛でもあり異性愛でもある、不思議な関係であった。富と名声を手に入れた龍平は、若く美しい編集者の桂木百合子と関係を持つ様になる。百合子は若い作家を虜にし、その才能を搾り取り、書けなくなると次の作家に手を着ける、そんな女であった。龍平の将来を危惧した薫は、百合子との関係を断つ様に言うが、一度手にした甘い生活の魅力から抜け出すことは出来なかった。龍平を他の女に奪われてしまう危機感とは別に、薫はある疑問を感じ始める。「このままゴーストライラターとして原稿を書き続ける事が、果たして龍平の為に本当に良い事なのであろうか?」二人の関係は、やがて悲劇的な色彩を帯びてくる。そして自分の死を意識し始めた薫は、人生最後の賭けに出るのであった。
【送料】
全国一律968円(離島を除く)
●まとめて購入でも送料は1回分の送料のみ
●安全のためポスト投函せず、佐川急便にて配送いたします。
(佐川急便対応地域除く)
【ポイント強化中】
★会員登録すれば
258ポイント還元!★